おサイフケータイと領収書

社会保険庁の一連の騒動の中で、支払った証拠を保存しているか否かということが話題に上っている。もらった領収書は一生涯保管するのが理想だろうが、これはいろいろな意味で大変だ。その主な理由は以下の通り。

  • 発行元によって書式がまちまちで、レシートのような形態も多く整理が難しい
  • 感熱用紙にプリントされているものだと、相当注意して扱わないと印刷が消えてしまう
  • そもそもすべて「紙」の形式であり、どんどん量が増えてかさばってしまう

私の場合、もらった領収書を重要度別に分類し、それぞれの保管期間を決めているが、それでもファイルはたまる一方だ。
ここでふと考えてみると、なにも領収書は「紙」である必要はない。ちょっと前にはこんなもの電子化されるはずはないと思っていた「お金」さえも電子化された。だから領収書が電子化されてもなにもおかしくないのではないかと思う。電子化されると、紙であることゆえのデメリットは無くなり、一生涯の領収書を扱うことも現実的になる。
買い物の時に「財布から現金を取り出して領収書はとりあえず財布に入れる」というアクションをとる人は多いだろうが、「おサイフケータイで支払い、領収書はおサイフケータイに入れてもらう」というアクションに置き換わってもよいのではと思う。
ただ、電子化されると紙とは別な課題が出てくる。発行元の証明や改ざん防止などの技術はもちろん必要だが、もし紙と同じように領収書データを個人の手許におく形態であれば、データのコピーを禁ずるDRMのような仕掛けも必要になるだろう。データ流出の危険性もある。インフラを構築するのであれば、インフラの信憑性が問題になるかもしれない。暗号化して当事者しか見えないようにしてしまうと、入手さえすれば誰でも内容を確認できる紙の領収書とは違った位置づけになってしまう。....等々
いまGoogleで「電子領収書」を検索してみたら、ヒットしたのはたったの34件。多くの課題はあるけど、「電子領収書」というのはこれから伸びる分野ではないだろうか。