デジタル放送の合法的な「コピー」

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 今回の新製品登場により、...略...。従来のダブル地上デジタルチューナーに加え、BS、110度CSデジタルチューナーも2基ずつ搭載し、ダブルデジタル録画が行えるようになったことが最大の変更点だ。...略

ダブルデジタルチューナーの機種が各社よりラインナップされるようになってきたが、少し考えてみた。
デジタル方式のダブルチューナーの機種で1つの番組を2つのチューナーで同時に録画すると、同じ番組内容で2タイトルとしてHDDに記録される。現行のデジタル放送のコピー制御(コピーワンス)を前提に考えると、この2つのタイトルのうちの片方をDVDメディアに「ムーブ」すると、そのタイトルはHDDから消去されるが、もう一方のタイトルはHDDに残ったままだ。つまり結果的にはHDDの内容がDVDにも(一回だけではあるが)「コピー」されたように見える。
それでは、もしメーカーが、「デジタル放送のダブルチューナーを内蔵しているけど、そのことはユーザには告知しせず(実際はB-CASカードが2枚必要だからユーザにはチューナーが2基であることを知ってしまうが)、番組を録画すると、常に2つのチューナーで同時に同じ番組を録画する」という仕様のレコーダーを登場させたらどうだろう。録画したタイトルは1つに見えても、DVDメディアへの「コピー」が1回だけ出来ることになる。でも当然HDDの領域は「コピー」が完了するまで2倍消費されることになる。複数のチューナーをダブル録画以外の用途で装備するというのは、以前ソニーCoCoonCSV-E77)で使われた手法だ。CSV-E77では「裏チューナー」は、EPG受信時や、「おまかせマル録」で偶然2つの番組が同時間に重なったときに動作していたが、ソニーはユーザに対してはダブルチューナーであることは積極的には宣伝しなかったし、説明書にもダブルチューナーに関する記述はなかったように記憶している。
仮に、デジタル放送のコピー制御の仕組みが当面このまま存続するのであれば、上記の2チューナーのケースで「疑似コピー」を謳う機種が出てきても不思議ではない。この考えをもっと進めて、仮に多数のチューナーを内蔵し、同時に録画するためのコストが、将来劇的に下がってくれるのであれば、チューナーを8つ内蔵する安価なレコーダも登場するかも知れない。この時、8つを任意に組み合わせて「疑似コピー」を実現できる機種が登場するというのもありだろう。ただ、B-CASカード8枚挿しといのは、あまり見たくないような....