RD-XS53

購入してから現在までの経緯

以前よりRD-XS41を録画のメイン機として使用してきたが、単体でのEPGや大容量のHDDに惹かれてXS53を購入した。購入後しばらくしてスカパー!チューナーとも接続し、非常に便利に使用している。一度電源が入らなくなるトラブルを経験し、修理に出したが、この時はHDDの内容も失われれず保証期間内でもあったので金銭的にも事なきを得た。

気になっていること

GUIのレスポンスについて

XS41にくらべて全般的にGUIのレスポンスが悪い。悪いといってもボタンを押して何秒も待たされるというレベルではないのだが、表示が全体的にスローである。最初は気のせいかとも思ったのだが、先日久しぶりにXS41を操作してみて、XS53の遅さを実感した。特に遅いと感じるのは録画中のGUI操作時で、単純なテキスト表示でも1文字づつ描画しているのがわかるような気さえする。 1番組の録画よりも2番組の同時録画の方が遅くなるので、おそらく番組のエンコードを担当するCPUがGUIも担当しているのだろう。キーワードによる番組検索の時は数秒待たされるが、これは特に気にはならない。

アプリケーションの挙動について

製品が多機能になるほど、ソフトウェアの作り込み規模が大きくなり、それに伴って動作不良がまぎれこむ確率も上昇する。超多機能を標榜するRDシリーズでもいろいろあるのかと思う。私がXS53で遭遇した不具合で一番困るのは「録画済みの番組内容と番組説明が食い違う」という現象だ。たとえば、NHKスペシャルを録画予約して、確かに番組は予約されたのだが、番組説明を見ると「出演:ビートたけし」となっており最初はわけがわからなかったのだが、どうやらその前(あとだったかも)に録画したスカパー!の番組「風雲たけし城」の番組説明の要だった。そこで「たけし城」の番組説明を見ると、こちらは正常に記録されている。(つまり2つの違った録画済みタイトルに同じ番組説明情報が書き込まれてしまう)ソフトウェアアップデートを何回か行ったが、現在もこの現象は時々発生する。

リモコンの使い勝手

RD-X4やXS41の時にくらべあまり評判の良くないリモコンだが、メニュー操作や再生に関する操作性は、以前のリモコンよりも良くなっているのではないかと思っている。ただ、テレビ操作の為の独立したボタンがなくなり、テレビ側の電源やチャンネル操作にスライドスィッチの操作が必要になってしまったことが惜しまれる。

録画予約件数について

D-EPGによって飛躍的に録画予約が簡単になったのにもかかわらず、予約可能数は、XS41と同じ最大32件である。スカパー!を含めてあれこれと番組予約すると、あっと言う間に32件を越えてしまう。しかたがないのである程度先の予約を一度削除し、一週間位してから追加の予約を行うということを繰り返している。単純に予約記憶用のメモリー容量で考えると64件も128件もすぐにでも実現可能だと思うのだが、何世代か経ても一向に32件より増えないのはなぜなのだろう。もしかするとこれはメモリー容量の問題ではなく、EPGで番組表を表示させたり予約操作を実行するときに番組予約の情報を検索する必要があり、予約件数が多くなるとGUIのレスポンスにも影響してしまうからではないのかと想像している。だとすると、より性能の良い処理ロジック(RD Engine)を開発するかCPUの性能をあげる(いずれにしても価格上昇要因)しかなく、結果として実現が先送りされているのではないかと思っている。でも最大32件ではバランスが悪いので、是非予約可能件数の増強を検討していただきたい。

録画予約について

これはXS53というよりもおそらくRDシリーズ全般に言えるのと思うのだが、同一チューナーで連続した番組を録画予約すると予約番組が重なっているとの警告表示される。実際には重なっているのではなく、最初の番組タイトルの最後に「次予約開始」の文字が付加されて、少し途切れてしまうらしい。(らしいというのは実際に確かめた訳ではないので)。8時から9時ま予約して、次に9時から10時まで予約した時は、なにも文句を言わずに録画して欲しい。前の番組の最後が切れてしまうという仕様が改善されるのがベストだが、仮にそうでないとしても完全に予約時間が重なってしまったときとこの件とはメッセージを分けるべきだろう。

今後について

残念ながらというか、RD-X5の導入にともなってXS53は、わが家の番組録画のメイン機の座から降りることになりそうだ。XS53と比べたX5のメリットは、何といっても、より大容量のHDDとDVD-RへのVR記録だ。320GBのHDD容量は、現行機種の比較してもかなり大きいが、番組ナビにて調子よく録画予約を繰り返していくと、すぐに残容量が心許なくなる。番組を撮り貯めて週末や休暇のときに見るという使い方をする人は、現時点ではできるだけHDD容量の多い機種を選ぶべきだろう。ここで「現時点」と書いたのは、さらに容量が増えると、やがて「HDD容量はそれほど重要ではない」という時代が到来するからだ。HDD容量とはちがうが、まだPCのマシンパワーが現在より貧弱だった時代に「PCでDVDソフトを楽しむにはクロック周波数xxxMHz以上のCPUが必要」(たしかxxxは450くらいだった)と言われ、マシンを購入するときにもクロック周波数を気にしたものだったが、いまはクロック周波数マシン選びの際に重要な要素ではなくなっている。現にCPUメーカーのインテルも、CPUのブランドにクロック周波数を含めることをやめてしまった。CPUが充分「高速」になった今、ユーザーの視点は他の項目に移っている。(ゲームの分野は例外だが)話題をHDDレコーダーに戻すが、この分野ではHDD容量はまだ「充分に大容量」とはなっていない。HDDの残量を気にしながら録画した番組をあわててみるという状況を断ち切るには、過去一ヶ月程度全局の番組を常時録画できる程度の容量が欲しい。仮に(デジタル放送のマルチ編成やハイビジョン画質での録画を考えなければ)5Mbpsで8局の番組を30日間保存するとなると、13TBほどの容量が必要となる。現在入手できるHDDの最大容量が400GBだが、この約32倍である。一見途方もない容量と感じるが、最大のHDD容量が現在の32分の1の12GB程度だった時代がどのくらい前だったのかを考えると、実現はそう遠い未来ではないと思う。

RD-X5のことも少し

私のDVDメディア利用は、基本的に録画した番組の保存のためであり、一度DVDに保存した番組を消去したり編集したりすることは全くと言っていいほど行っていない。そのような用途にリライタブルゆえに高価なDVD-RAMを使うのはもったいない限りであり、DVD-RにVRモードで録画できるというのは合理的だと思う。現時点でまだDVD-RのVRモードに対応した環境が少なく、また数少ないサポート環境間でも再生互換性の問題が残っているようだが、これは時間が解決してくれるだろう。