通信環境の優劣が不動産の価値を決める時代

この記事を見て私も書いてみる。以前から書きたかったことだ。
個人的な事情で結構引っ越しをしている。東京に出てきてから25年の間に7回の引っ越しを経験した。
ダイアルアップでインターネットに接続していた時までは、引っ越し先の通信環境はそれほど気にならなかった。電話さえ使えれば音響カプラなりモデムなりで通信でき、現在よりも格段に遅かったがそれでも所定の速度で接続できるのは当たり前だったからだ。そのかわり、東京都内(03地域)での居住にはこだわった。パソコン通信のホストやインターネットプロバイダのアクセスポイントは都内が一番潤沢で、当時従量制のみだった電話料金は、3分単位最低料金の課金で比較的安心して利用できたからだ。
最近は都内であろうと郊外であろうとこういう点では気にはならないだろう。それよりもそもそもインターネットに接続できるか出来ないかが問題だ。光収容の地域ではADSLでの接続は難しいし、Bフレッツの普及もまだまだと考えた方がよい。私の場合、ADSLを使い始めてからの引っ越しは2回経験している。物件を探すときに不動産業者に、ADSLは利用可能か?電話局からの距離は?と質問しても全然対応してもらえない。ADSLによる接続が相当普及している時期であってもである。仕方がないのでねらっている物件の近くの商店などの広告から電話番号を見つけ、これで電話局からの距離を調べて目安にしたりしたが、前住んでいた目白では電話局からは遠く、当初ADSLでは1Mbps以下でしか接続できなかった。現在住んでいるところも電話局からは目白の時以上に離れていて、あきらめムードで116にADSLでの接続を申し込んだら、「お客さんの建物はBフレッツマンションタイプが使えますよ」との事でびっくり。早速申し込んで現在も使用しているが、下りはいつもほぼ30MBps以上の速度で料金的にもADSLの時よりも少し安くなったくらいで大変満足している。結果オーライということなのだが、不動産業者やマンション管理会社が入居者にBフレッツ利用可の情報を全く伝えないというのは問題だと思う。インターネットが電話以上に重要になりつつある現在、どのような通信環境で利用できるのかと言うことは生活の質を決める大きな要素だと言っても言い過ぎではなくなりつつあるだろう。
最近の引っ越しは昨年の今頃だったが、やはり不動産業者の対応は良くなかった。物件個別の説明書には「インターネット使用可能」と書かれる事が多くなったが、どのような接続かは問い合わせないとわからないことが多い。(それでも最近は「Bフレッツ可」という文字が目立ってきており、ようやくニーズに気づき始めたといったところだろうか)下手をすると問い合わせてもわからないということもあった。改善はされつつあるが、これからは変化するニーズに対応できない業者は淘汰されていくだろう。