遠い昔のパソコン通信

パソコンと電話回線を初めてつなげたのは、いまから20年ほど前にアスキーパソコン通信ハンドブックというムック本を出版し、これを書店で購入したことがきっかけだ。当時モデムはまだ入手できず、4万円ほどした300bpsの音響カプラを電電公社時代に取り付けた電話機とPC-8001RS-232Cポートに接続し、スタート間もない(まだ8回線時代の)アスキーネットに接続して遊んだものだ。パソコン通信入門はこの後「実践編」も出版され、これにはPC-8001mk2のターミナルプログラム関連の記事を書かせていただいた。ネットを探してみたが、もうこの書き込みくらいしか痕跡がない。

いえいえ、わたしもアスキームックの「パソコン通信実践編」に
掲載された中屋広樹さんのターミナルプログラムをお手本にしま
した。これをベースにメモリ領域に書き込む処理を組み込んで何
とか電話代を減らす努力をしました。

やがて日経mixやNiftyServeが登場すると一気にパソコン通信はメジャーとなったが、どうも私はメジャーなものとは相性が悪いのか、このころからパソコン通信からは遠ざかっていた。アスキーネット時代に印象に残っている人は、'life'にでsysopを努めておられた友人スミス氏だ。私の父親と同じ世代の方なのだが、書き込まれる内容が多岐にわたり、ジャーナリストならではの分析がとてもおもしろい。また誕生日にはかならずお祝いのメールをいただいたが、多くの人に誕生日メールを送信されていてようだ。私自身もらったときはとてもうれしかった。後年、残念ながらガンで亡くなられたが、ご自身の体に異常を感じ、ガンを告知されてから亡くなるまでの間もご自身のことを克明にアスキーネットに書き込まれていた。さきほど検索してみると、この時の友人スミス氏の書き込みを再掲しているサイトを見つけた。再び一通り読んでみると胸が詰まる思いだ。