TVサーバーを試す

外出先から自分の家のテレビを見たり、録画しておいたタイトルを視聴できたりしたらおもしろそうと思っていたが、すでに販売されているソニーの「エアボード」などは高価で機能的にもいまひとつと思ったので手が出なかった。ところが最近この記事を見て、非常に興味を持ち、早速試してみた。現在ソニーからは「エアボード」から名前を変えたロケーションフリーテレビ」が発売されているが、手持ちのビデオカードを利用して、ほとんど費用かかけずに「ロケーションフリー」なテレビ視聴環境を実現してしまうといったものだ。かぎとなるのは、TVサーバーという、チューナーカードなどの音声と映像をネットワークから視聴するソフトだ。Webブラウザを通して、チャンネルの切り替えやエンコーダの選択が可能で、意テレビ視聴に必要な一通りのことが外出先からできる。早速自宅のPC(Windows 2000)にインストールしてみた。他に必要となるプログラムとしてIIS(Windows 2000やXP Professionalでは標準で添付されるWebサーバ)があるが、IISがいやな人やWindows XP Homeを使っている人は、TVサーバーに内蔵されているWebサーバー機能を利用することも可能だ。次にWindows Media Encoderをダウンロードして、必要なポート(2つ)を外部からアクセスできるようにルータを設定してとりあえず準備完了。これに加えて接続先を見失わないためにダイナミックDNSも使用したほうが良いと思う。(わたしは以前より外部向けのサーバーを立ち上げているので、DNSは環境境設定済みだが、TVサーバーはdyndns.orgであればDDNSクライアント機能(IPアドレスの自動更新)をサポートしている)動作確認は、最初に自分の家でVAIO TypeTからアクセス。これはあっさりと成功した。次に公衆無線LANが使えるカフェに出かけてアクセスしてみたが、これもあっさり成功。ただ、通信速度が不安定なのか、最高の転送レート(640x480 1024Kbps)を指定すると画損が時々とまってしまう。同一画面サイズで転送レートを512Kbpsとしたら快適に視聴できた。遅延はだいたい10秒くらい。チャンネル切り替えをブラウザから指示して実際に切り替わるまでやはり同じくらいの時間がかかった。ちょっと気になったのはwmvエンコードしているときのサーバー側のCPU利用率である。Pentium4 3.06GHzのマシンで、CPU利用率は40〜70%の間を行ったりきたりしている。エンコードONの状態で待機させておくと、サーバー側の消費電力や発熱の面で不安がある。リモート側からエンコードのON/OFFを切り替えれるので、視聴が終わったらOFFにする習慣が必要だろう。画質的には転送レートしだいではあるが、256kbps以上であれば実用性に問題は特に感じられなかった。残念だったのは、TVサーバーでサポートしている「ビデオカードAUX」への切り替えが、私の持っているビデオカード(ELSA EX-Vision700)では出来なかったことである。これができれば、手持ちのビデオレコーダー(RD-X5)をネットdeナビ併用で完全にコントロールできて、実用性が飛躍的に高まったのだが...。ビデオカードの補助入力端子にネットdeナビ対応の東芝HDD/DVDレコーダー(RD-X5など)を接続して、ネットdeリモコンと組み合わせると、外出先からRDを番組の視聴も含めてほぼ完全にコントロールできるようになる。TVサーバーでもPC上録画の形で録画予約が出来るが、RDの各種ナビをはじめとした快適な操作環境がリモートでも味わえるようになる(10秒の遅延は編集などには厳しいが...)これに関してはおいおい試してレポートしたい。いろいろ書いたがロケーションフリーTVよりも柔軟にテレビを視聴できる非常に面白い試みだと思う。まだ試していないので書かなかったが、TVサーバーには録画予約の機能があり、iEPGも利用できるので、普段家に帰らないような人でも外から録画生活を満喫できる。
※初回記載時にTVサーバーでは私の環境ではAUXが利用できないと書いたが、これは誤りだった。メニューの「設定」->「キャプチャ設定」で表示されるウィンドウのメニューに「オプション」でAUXの割り当てを変更すると、補助入力端子に接続された機器の画像もネットワーク視聴可能となった。